札幌市清田区有明の農家、川瀬俊昭さん宅で12月24日(日)、清田区内に住む兄弟、子ども、孫ら家族11人が集まり、年末恒例の餅つきを行いました。

自宅横の倉庫で餅つきをする川瀬さん(右端)
川瀬さん宅では父親の代から毎年年末になると、餅つきを行っています。昭和20年代からといいますから、70年以上続いていることになります。
有明地区では昔は、自宅で餅つきを行う農家が結構あったそうですが、今では川瀬さん宅だけといいます。
札幌市全体あるいは北海道を見渡しても、家庭で餅つきをする風景はほとんどなくなりました。地域のイベントなどでもちつき大会が行われている程度です。
こうした中、川瀬さんは、日本の年末の餅つきの伝統を守り続けているのです。
倉庫には、今年も年季の入った木製の臼が用意され、杵を持って交代で餅をつきました。小さい子も、子供用の小さな杵を使って餅をつきました。
臼も杵も、川瀬さんの父親が、自分で作った手製のもので、年季が入っています。川瀬さんは「自分が子供の時から使っている臼です」と言います。
ついた餅は、川瀬さん宅の台所で、あんこがたっぷり入った大福にして、みんなで食べましたが、大半は、お正月用として四角い板状の「のし餅」にしました。この日、用意したもち米は名寄市風連産の約9キロでした。
お正月は本来、年神様を迎え入れる行事だといいます。お餅は、そのハレの日に欠かせない縁起のいい食材であり、新しい年の神様にお供えし、一緒に食べることで新しい命を授かると言われています。餅つきは、その準備のために古来、歳末に行われてきた日本の伝統行事です。