地域コミュニティーを支える中心的な存在である町内会。その町内会は今、加入率の低下や役員の高齢化、担い手不足、負担の増加等の悩み、課題に直面しています。清田地区の各町内会でも同様の悩みを抱えています。
そこで札幌市は、これらの課題を少しでも解決し、町内会活動を支えるために「札幌市町内会に関する条例」(仮称)の制定を目指しています。
市は、その「たたき台」を作成し、2021年10月~11月にかけて、札幌市内全区で市側と町内会長との意見交換会を行いました。清田地区でも11月2日、清田区民センターで意見交換会を行い、清田区長ら区側と清田地区町連会長、副会長および各町内会長が参加しました。山田清田区長らが「たたき台」を説明し、町内会長らと意見交換しました。
市の「たたき台」によると、その内容は、前文で町内会の意義を明示。具体的には、町内会の意義は「互助」と「親睦」にあるとし、「暮らしやすい地域コミュニティーを実現するためには、その核となる町内会の『互助』と『親睦』の活動が不可欠」としています。
町内会活動の「互助」とは、交通安全、防犯・防災、青少年育成、高齢者福祉、環境美化、清掃・衛生、除雪など。「親睦」とは、盆踊り・夏祭り、レクリエーションなどの活動です。
こうした町内会の活動を支えるために、地域住民や市、地域の事業者(企業)などの役割を示すとしています。
地域住民は、町内会活動への参加や協力を心掛けること。地域の事業者も町内会活動への参加を心掛けること。不動産業者は新規入居者に町内会の情報提供を行うこと。市は加入促進や財政面などで町内会を支援し、町内会の負担が過大にならないようにすること。市職員も積極的に町内会活動に関わること。これらを明記するとしています。
ただ、町内会活動はあくまで任意であり、加入や活動参加を強制するものではありません。
町内会条例は秋元克広市長の重点公約の一つです。市は2018年度に素案を作成しましたが、「町内会加入を強制すべきではない」「町内会に負担を押し付けている」「加入促進の効果がない」等さまざまな市民からの批判・意見があり、いったん見送った経緯があります。
市は、仕切り直しして再び町内会条例制定に向けて動き出したところで、2022年度には市議会に提出して条例を制定したいとしています。