■展示資料充実! 再オープン

 あしりべつ郷土館(清田1条2丁目、清田区民センター2階)は2019年8月から設備改修工事のため一時休館しましたが、2020年7月1日、展示資料と運営体制を充実強化して再オープンしました。

あしりべつ郷土館の展示「昔の暮らし」

 あしりべつ郷土館は、清田区で昔使われていた農機具や生活道具をはじめ各種文献資料などおよそ1400点の資料を展示・保存しています。今年、さらに展示資料の充実に努め、清田区の郷土史家、了寛紀明氏(元清田小学校校長、里塚在住)の研究成果を基に、清田の歴史を今に生き生きと伝えるパネル資料約20点を新たに制作、館内に展示しています。

明治6年、今の清田小学校校庭付近に建てられた休泊所の墨絵。右にあしりべつ橋が見える

 新資料の中には、明治6年(1873年)に今の清田小学校校庭に開設された休泊所(旅館のような施設)の墨絵をはじめ、真栄・有明に篠路屯田と新琴似屯田の広大な公有地があったことを示す資料、昭和28年(1953年)に完成した弾丸道路(札幌―千歳)の清田小学校付近(今の旧道)の写真など興味深いものがあります。

清田小学校前付近の弾丸道路(昭和30年頃)

 郷土館は水曜日と土曜日の週2日、10時から16時まで開館しています。入館無料です。

 「あしりべつ」は昔の清田区の地名です。漢字で「厚別」と書きました。厚別川は、清田区内では今でも「あしりべつ川」という人が多いです。厚別神社は「あしりべつ神社」と言います。

■運営体制を強化

 再オープンにあたり、郷土館は運営体制を強化し、資料の充実に努め、郷土史を語る「出前講座」も始めています。

清田区で昔使われていた馬車

 郷土館は昭和58年(1983年)、「先人の歩みを後世に伝えよう」と、今の清田小学校水田の場所にあった旧清田出張所の建物を活用して開館。元農家の人らが展示用の農機具や生活道具などを寄贈しました。その後、建物の老朽化で平成14年(2002年)に現在の清田区民センター2階に移転し、今日に至っています。

 運営は、清田地区町連をはじめ清田区内の5つの町内会連合会でつくる運営委員会が行っています。運営費は区内の町内会員1世帯年間50円の負担で賄っています。区民による自主運営で、札幌市文化部などからも高い評価を得ています。

 しかし、専門スタッフがいないことなどから、資料の発掘などの活動はなく、近年は1月の郷土館まつり以外にこれといった活動はありませんでした。

 そこで7月の再オープン以降は、運営委員会内に事務局を設置。事務局は、管理部と企画部の2部からなり、特に企画部は町連役員のほか区内の郷土史家や元校長、ITや映像に詳しい方など専門の人たちで構成し、調査研究、資料作成、出前講座などの事業展開を始めています。

 また、郷土館の展示・保存資料をすべてデジタル化し、データベースにして管理するようにしました。郷土館公式ホームページ(https://ashiribetsu-museum.com/)も開設しました。ぜひご覧になってみてください。

■好評だったイオン平岡での出張展示「わたしたちの清田「あしりべつ』」今昔(いまむかし)」

あしりべつ郷土館出張展示=イオン平岡

 あしりべつ郷土館出張展示「わたしたちの清田『あしりべつ』今昔」が2020年10月9日~10月25日、イオンモール札幌平岡で開催されました。郷土館の新資料を含む60点の歴史パネルを展示しました。

 郷土館主催、イオン平岡と清田区の協力で開催したイベントで、清田区150年間の歴史を興味深く展示した取組でした。期間中、大変多くの方がご覧になり、大好評でした。

 郷土館運営委員会事務局企画部スタッフ(7名、全員清田区民)が中心になって企画、準備しました。あしりべつ郷土館は、こうした催しも開催できるようになりました。