厚別(あしりべつ)神社(札幌市清田区平岡2条1丁目)のお祭りが9月11日(水)、12日(木)の2日間、厚別神社境内で開催されました。好天にも恵まれ、2日間とも大勢の人が繰り出し、賑わいました。

一番の見せ場、神輿渡御の宮入り=2024年9月12日、厚別神社

 お祭りは11日が宵宮祭、12日が例大祭。12日は、恒例の神輿渡御が行われ、今年は平岡地区を練り歩きました。

平岡の街を練り歩く神輿渡御

 神輿渡御(みこしとぎょ)とは、神社から神輿を出して街を練り歩くお祭りのことです。神さまが神輿に載って街を練り歩き、人々の災いを清めるとされています。ちなみに神輿とは、神さまの乗り物だそうです。

 厚別神社の神輿渡御は、基本的に台座に神輿を乗せて「わっしょい、わっしょい」と掛け声をかけて引っ張って渡御しますが、途中、東光ストア平岡店駐車場と特別養護老人ホーム「ひらおか梅花実」前、清田保育園前の3か所では、神輿担ぎも行われました。

威勢よく神輿を担ぐ「あしりべつ桜友會」の皆さん=東光ストア平岡店駐車場

 神輿を担いだのは、厚別神社の神輿担ぎ住民グループ「あしりべつ桜友會」の皆さん。女性のメンバーを含め、威勢のいい掛け声とともに、神輿を担ぎました。

 3時間近くかけて渡御を終え、神輿が神社境内に戻ってきました。多くの人たちが見守る中、神輿渡御の一番の見せ場、「宮入り」が行われました(※)。

境内の賑わい

 厚別神社境内には42店の露店が立ち並び、2日間とも子供や中高校生、若い人たちを中心に大にぎわいとなりました。

お祭りの夜、露店の賑わい

 露店は、やきそば、お好み焼き、たこ焼き、ロングフランク、フルーツあめ、東京ケーキ、わたあめ、バナナチョコ、けずりいちご、金魚すくい、スーパーボールすくい、くじびきなど、どの店も大忙しの様子でした。

郷愁を誘う金魚すくい

 やっぱり、お祭りは露店が楽しいですよね。境内の一角にテーブル席も若干用意され、多くの人が露店で買ったものを食べながらお祭りの夜を楽しんでいました。

お祭りの夜を楽しむ人たち

 境内の一角に特設ステージが設けられ、演芸が2日間とも行われました。11日の宵宮祭では、平野かつ子さんの民謡漫談、山本裕美子さんの歌謡ショーが行われ、お祭り気分を盛り上げました。お祭りには歌謡曲が合いますね。

 12日の例大祭では、懐メロの人気バンド・東京大衆歌謡楽団が昭和10年代~30年代の懐かしの歌謡曲の数々を演奏し、大いに盛り上がりました。

平野かつ子さんの民謡漫談=9月11日

 厚別神社のお祭りが終わると、清田区はいよいよ秋です。昔、清田区が農村だった頃、地域の人は秋祭りを存分に楽しんで、お祭りを終えると一斉に稲刈りなど秋の農作業に入ったと言われています。

山本裕美子さんの歌謡ショー=9月11日

 厚別神社のお祭りが毎年9月11日と12日に固定されているのは、その名残です。厚別神社のお祭りは、どこか昔の農村時代の香りがあるようにも感じますね。

(※)厚別神社と神輿

東京大衆歌謡楽団の厚別神社公演=9月12日

 厚別神社が神輿をつくったのは2008年。しかし、担ぎ手がいないため、毎年、台車に乗せて引っ張っていました。

 2016年になって、当時30代の区民グループが神輿の「宮出し」(神輿が神社を出て渡御に出ること)、「宮入り」(神輿が渡御から神社に戻ること)の時に限って神輿を担ぎました。

 これがきっかけになって2017年、「あしりべつ桜友會」が発足、以来、神輿渡御の途中でも神輿を担ぐようになりました。

神輿渡御に参加した真栄地区の皆さん